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お知らせ

寺報 花だより vol.24 令和5年 節分星祭り号 より

2022年12月3日掲載

文殊の知恵

  数年前のご法事でのことです。読経中、いつものように参列者に「ご焼香をどうぞ」と促したところ、施主さまの「あなたから先に焼香するんですよ。その次は○○君ね」そんな声がしましたので振り返りますと、普通、最初にご焼香してしかるべき故人の奥さま(施主)に先んじて、お孫さんたちが真っ先にご焼香されています。ご法事終了後、施主さまにそのことをお尋ねしますと、次のようなお答えが。「孫たちにとっては会ったこともないおじいさんの十七回忌。いずれ我が家の法事を担っていくのはこの子たちですから、私が死んだあともおじいさんの供養を大切に続けてもらえるように、法事の主役を孫たちにしてるんです」
一般的な仏事作法としては、正しいと言えないかもしれません。
しかし、コロナが追い打ちをかけている、昨今の仏事縮小傾向を目の当たりにする中、法事を末永く大切にしたいと願う、このご家庭にとっての「智慧」を見たような気がしました。

令和五年の護り本尊は文殊菩薩。
「文殊の智慧」といいますが、これは知識や情報に頼りすぎない、慈悲~やさしさ~を伴うもの。その実践のために、文殊菩薩は「利剣」を手に戒めています。この利剣で断ち切るべきは、世間の目やしがらみ、ねたみ、かたよった考えから起こる、柔軟さを欠いた心です。コロナ以降、世の中は急速に変わりつつあります。みなさまそれぞれにとっての「文殊の智慧」で、よりよい年をお過ごしいただきますようご祈念申し上げます。

合掌
                                          功徳院住職 松島龍戒

 

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