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寺報

寺報 花だより vol.22 令和4年 盂蘭盆施餓鬼号 より

2022年7月8日掲載 

「叱られた恩を忘れず墓参り」

 今年もお盆の季節がやって参ります。お盆は、長年日本で大切にされてきた年中行事ですが、近年では親戚が集ったり、迎え火、送り火をたいて、ご先祖迎えすることも少なくなりました。しかし、形式は変わっても、お盆は亡き人に感謝をささげ、日々の生活を省みる絶好の機会でもあります。そもそもお盆は、お釈迦さまのお弟子さまの物語が由来となっています。「目連尊者のお母さまは、我が子だけを可愛がり過ぎるあまり、餓鬼道地獄に堕とされてしまいましたー。」これがお盆の由来だと聞くと驚かれるかもしれませんが、この物語は、お釈迦さまの教えを受けた目連尊者が「万霊供養」を心がけるようになり、お母さまが救われたと結ばれています。思うにこの物語のテーマは「目連尊者の反省」ではないでしょうか。母を地獄に至らしめた原因が自分にもなかったか? 自分も親に甘え過ぎていなかったか? 子としてもっと母を助け、支えることはできなかったか? 何気なく暮らしている街の景色、それを遠くから眺めれば美の絶景に見えることもあるように、近しく暮らしている人の本当の姿や思いに、私たちは気づきにくいものです。亡き人を供養することで、あらためてその人の本当の姿を見つめ、心の中に息づかせる、それがお盆供養に込められた意義ではないでしょうか。お盆のお塔婆は、今はもう伝えることができない私たちのさまざまな思いを、感謝の仏語に換え、亡き人に届けて下さるお手紙です。この夏が、皆さまにとりまして良きご供養となりますようお祈り申し上げます。                                   合掌
                                          功徳院住職 松島龍戒

 

寺報 花だより vol.21 令和4年 花祭り号 より

2022年2月27日掲載 

■およそ2500年前の北インド、戦乱の世を生き抜かなければならなかった弱小国・シャカ国の王子としてお生まれになったお釈迦さま。その産声と伝えられるお言葉が、この「天上天下唯我独尊」です。■人はだれもが、かけがえなく尊い存在である――。■人種、性別、身分、家柄はむろんのこと、学歴、職歴、知力、体力、年齢、思想の差などによって人は優劣をつけられるべきでない。あなただけに与えられた価値を生かし、この世での役割を見つけ、全うすることができる――。■お釈迦さまは、この世で発せられた最初のお声で、そんな真理をお説きになられたのです。■一見あたりまえ、それでいて有史以来机上の理想論だった「個性の尊重」も、近年ようやく世に浸透し始め、今ほど個性が重んじられる時代は、かつてなかったように思えます。■戦乱さながらのコロナ時代を生き抜くために今、「個性」が求められています。そして個性を貫くために、時に「変化」する強さを持つこと。シャカ国は、変わることができなかったために、国を残すという使命を全うすることができず滅びました。■コロナによる職業転換や、加齢や病気による体調の変化、成長に伴う家族の形の変化――人は変化を受け入れることが苦手ゆえに、日々、苦しみますが、四苦八苦の世を生き抜くために、必要な強さでもあるのです。■お彼岸は、今を生き抜く私たちを応援してくださるご先祖さまを想い、現世を幸せにする期間。よきお参りとなりますよう、寺内一同、心より願っております。                                           合掌              

                                          功徳院住職 松島龍戒

寺報 花だより バックナンバー Web版 vol.20-11

掲載 

寺報 花だより バックナンバー Web版 vol.10-01

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